既に閉じたツイッターで
原子力安全・保安院が12日，福島原発のINESの暫定評価をレベル7に引き上げた。私たち医学系学者が重視するのは評価レベルではなく健康への短期的・長期的（数十年オーダー）影響である。そして，どう推定しても周辺地域を除けば「大きな問題はない」というのが現時点での結論（＝仮説）である。
と書いたことがある。この言説の根拠などは近い内にこのブログで（慎重に）言及したいと思っている。
ただ，福島原発事故に関しては，以前にもこのブログで強調した「正確かつ迅速な情報開示」は未だ不十分で，適切な議論をするためのデータ・情報を得難く，悩ましい。
情報の正確さはこの種の大問題だけでなく，小事でもそれなりに重要で，不正確な情報とそれに基づく憶測はボディーブローのように悪影響を及ぼし続けることもある。
個人レベルでは，それこそ鬱病にまでなりかねない。そこまでいかなくても，仕事や生活に支障を来たすこともある。第三者に迷惑をかけることも往々にしてある。
そして，ごく個人的な雑記で申し訳ないが・・・
今述べたことは私自身，身を持って体験してきたことで，根拠薄弱な憶測やゴシップでかなり悩まされてきたものだ。
最近では「ホンマでっか!?TV」関係で多少そんな要素があり，例えば「澤口は△△先生と仲がいい」という憶測によって，それなりに迷惑している。
ここでの「△△先生」は憶測によって異なるが，比較的多いのは植木理恵先生である。
私は植木先生を極めて優秀な心理学者として尊敬申し上げているし，心理学と脳科学は相補的ということもあって（そして，ホンマでっか!?TVはチームなので）番組中に仲がいいと見えるのは，当然といえば当然である（状況によっては険悪に見えることもあるだろうが，それはあくまでも学問上のことである）。
しかし，やはり当然ながら，当該番組を離れれば「仲」ということ自体が問題にならないし，「女性」として意識したこともない－－メタ認知に基づく認知的抑制が働くせいもあるが，そうした意識は番組での仕事上それこそ「邪魔」である。
このような私的なことはドーデモイイとも言えるが，植木先生にとってもかなり迷惑なことであり，また，番組関係者や第三者の方々にも迷惑がかかる可能性もあり，あえて言及した次第である。
とはいえ，なんと言うか，まあ，私のような者が，憶測とはいえ「△△先生（植木先生に限らず）と仲がいい」と思われるのは，ある意味では光栄ではあるが，△△先生や他の方々に迷惑がかかる可能性は取り除いておいた方がよいことは明らかである。
それに・・・，私にしても私なりの「大事」があり，その大事に憶測・小事がごく微少とはいえ悪影響を及ぼすのはやはり避けたいと思う。
震災・原発事故という未曾有な状況にあって，ここで述べたことは細事すぎることで，「大事の前の小事」の典型だが，この格言には「大事を行う前は，どんな小事にも注意をはらうべき」という意味合いもある。
たとえば，放射能に関する政府の言及で「マイクロシーベルト」を「ミリシーベルト」と言い間違えることは小事といえば小事だが，この言い間違えは数値的には10の3乗の違いがあり，国民に誤解や混乱，不信感を招くことになりかねない。福島原発周辺の避難区域に「20年住めない」という菅首相による失言（？）も，その後打ち消したとはいえ，同様である。
「大事の前の小事」には，大事にあっては小事など犠牲にすべき，無視すべき，という意味合いもあるけれど，長期戦が必須の状況（原発事故との関係では，端的に，放射性セシウムの半減期は約30年）では「どんな小事にも注意をはらうべき」という側面をむしろ意識した方がいいと思う－－これは，政府や福島原発関係者のみならず，私を含めたどの国民にも言えるハズだ（と思う）。
